Claude Code開発者が語る、AIエージェント活用の最重要ポイント
概要
Claude Codeの生みの親であるBoris Chernyのインタビューをもとに、最新モデル時代のAIエージェント運用法を整理した解説動画。要点は「古いモデル向けに積み上げた設定(CLAUDE.md・スキル・フック)は今や足かせなので捨てる」「エージェント自身が完了を判定できるeval(検証基準)を用意する」の2点で、モデルが新しくなるたびに設定と検証基準を作り直すべきだと説く。
主なポイント
- 新モデルが出るたびに自分のセットアップを削除して作り直す。Opus 5リリース時、Anthropic自身もClaude Codeのシステムプロンプトの約8割を削除した。
- CLAUDE.md・スキル・プラグイン・フックはセッション起動時に丸ごとコンテキストへ載り続けるため、不要な記述はそのままトークンコストになる。
- 空のセッションで
/contextを実行すると、何も入力しない段階で100万トークン枠の約3%を消費している(これはClaude本体の分で削れない)。その上に載る自分の設定分が削減対象。 - safe mode(自前のCLAUDE.md・スキル・プラグインを全て無効化した素の状態)で普段の作業を試し、問題なく動くなら設定を削る合図。
- 残す/消すの判断基準は「Claudeが自力で分かることか?」の一問。
npm run devで起動するといった自明な記述は不要、デフォルトと異なる手順(特定のテスト方法、先に起動が必要なサービス等)だけ残す。 /doctorコマンドがこの基準で設定を診断し、項目ごとの評価と変更案をレポート。承認するまで何も変更されない。/usageで5時間枠の消費内訳が見え、どのスキルや習慣(サブエージェント多用、複数セッション並行、compactせず放置)が食っているか特定できる。- 最重要は「eval」= 失敗しうる厳密な完了判定。「よくなったか見て」は判定になっていない。例:スマホ画面に収まるか、誤パスワードで入れないか、em dashが無いか。
- Borisの実例:Claude Desktopの Swift 書き直しで、仮想Mac上の旧版のスクリーンショットと自作版をピクセル単位で比較させ、一致するまで止めない指示を出し2週間以上自走させた。自己判定基準がないとエージェントは1時間で失速する。
- プロンプトは「やり方」ではなく「何が欲しいか+守るべき制約+完了の定義」を書く。ベテランほど自分の手順を再現させようとして性能を頭打ちにしがち。
- 参照画像やお手本を渡すとそのまま模倣される。デザインもアイデア出しも、現物ではなく「狙う雰囲気・スタイル」を言葉で説明した方が良い結果になる。
- 情報の入れ方は安い順に4段階:①プロンプトを直す(大半はこれ) ②毎回必要な事はCLAUDE.md ③5回目の説明はスキル化 ④Claudeが物理的に到達できない情報だけMCPサーバー。
- CLAUDE.mdは毎セッション読まれ、スキルは必要時のみ読まれる。短く常に真な事はCLAUDE.md、長い/たまにしか要らない事はスキルに分離する。
- 数百エージェントを自動計画する dynamic workflow は非推奨。bunの書き直し(100万行/2週間)はAPI価格換算で約16.5万ドル、しかも既存チェックが捕捉できない不具合が19件残った。日常はクラウドで定期実行する routines(Anthropicは1日20〜30本)が実用的。
- モデルの堅牢性が上がり、他人のスキルに仕込まれた指示注入もClaudeが検知して拒否し、その旨をチャットで報告するようになった。
実践に使えること
- 新モデルが出たら
/doctorを走らせ、CLAUDE.mdとスキルの棚卸しをする。判断基準は「Claudeが自力で分かるか」だけ。 - 一度 safe mode で普段の作業を再現し、自分の設定が本当に効いているか実測してから削る。
- 作業開始前に「no と返せる完了条件」を1つ以上書き出す。テストでなくてもよい(スクリーンショット比較、パリティチェック、ルール違反検出など)。
- 検証基準も2〜3世代で陳腐化する。全部パスするようになったら破棄して、今つまずいている箇所から新しく書き直す。
- プロンプトを「手順書」から「ゴール+制約+完了定義」に書き換え、自分が思うより少し難しいタスクを丸ごと任せてみる。
- デザインやアイデアは現物を渡さず言葉で描写する。
- 「不要になった残骸の掃除」「テストのない箇所にテストを書く」「重複実装の統合」などを1文の routine としてクラウド定期実行に登録する。