mattpocock/skills: A complete AI Coding workflow, end-to-end
概要
Matt Pocock氏が、GitHub 16.2万スター・750万DLを誇る自身のskillsリポジトリ(mattpocock/skills)の基本ワークフローを解説したチュートリアル。npx skills@latest add mattpocock/skills によるインストールから、grill with docs → to spec → to tickets → implement → code review という「アイデアから出荷まで」の一連の流れを、実際の自作CLIリポジトリで実演している。既存コードベースでも新規プロジェクトでも同じ手順で導入できる。
主なポイント
- インストールは
npx skills@latest add mattpocock/skills(Vercel製 skills.sh インストーラ、Node.js必須)。38スキルが見つかり、mattpocock/skillsグループが公式に「良い」と判断されたもの、other skillsは実験中で将来削除される可能性がある。 - Claude Code / Cursor / Codex など複数エージェントに対応。インストールスコープはチーム開発ならプロジェクト単位(全員が同じスキルセットを共有し共同改善できる)、ソロなら global。配置方式は symlink 推奨。
- 他のskillsリポジトリとの最大の違いは「ほぼすべてがユーザー起動型(user invoked)」であること。説明文が短く精密なため、38スキル全部入れてもコンテキスト消費はわずか660トークン。
- 導入後は
setup mattpocock skillsを実行。イシュートラッカー(GitHub / ローカルMarkdown / Jira / Linear / Beads など任意)、トリアージ用ラベル、ドメインドキュメント(context.md + ADR)の構成を対話で決める。Jira等への対応は「Jiraで設定して」と伝えるだけで既に動く。 - 迷ったら
ask Mattスキル。作者本人を模したスキルで、skillsリポジトリの全体像と「まず何をすべきか」を答えてくれる。 - メインフローは①grill with docs(曖昧なアイデアを質問攻めで詰める。リポジトリ内ではステートフルで context.md / ADR に学習内容を記録)②必要なら prototype(会話だけでは決着しない、実行して確かめる必要がある問いに使う)③複数セッションにまたがる規模なら to spec / to tickets ④implement ⑤code review。
- 作業量が1セッションで収まるなら②③を飛ばして
/implement thisに直行してよい。判断軸は「1つのコンテキストウィンドウで終わるか」。 - spec は「最終的にどうなっているか(ゴール)」、tickets は「そこへどう辿り着くか(経路)」。各チケットは1コンテキストウィンドウ=1セッション分の粒度に切る。実例では1つのspecに11のサブチケットがぶら下がっていた。
- code review は2軸で行う。(1) 実装が元のspecの受け入れ基準を満たしているか (2) リポジトリの標準ドキュメントに沿っているか(無ければMartin Fowler的なコードスメル基準を使用)。
- レビューを必ずサブエージェントで走らせるのが重要。自分で書いたコードをメインエージェントに直させると「良い出来だ」と甘く評価してしまうため、クリーンなコンテキストの別エージェントに見せる。
実践に使えること
- 導入: 空ディレクトリでも既存リポジトリでも
npx skills@latest add mattpocock/skills→ 公式グループを全選択 → 使用エージェント選択 → スコープ選択 → symlink。続けてエージェント内でsetup mattpocock skillsを実行し、イシュートラッカーを「ローカルMarkdownで」等と指定する。 - 曖昧な要望から始めてよい: 「このCLIから内部ツールを大体削って公開向けだけにしたい」程度のざっくりした一言で
grill with docsを起動する。詳細を書き込むのはユーザーではなくスキル側の仕事で、6〜20問の質問で計画に落ちる。 - コンテキスト予算を意識する: 140kトークンを「スマートゾーン」の上限と見なし、それを超えると注意力低下・幻覚が増えると想定して作業を分割する。「残り100kで10コマンド削除なら余裕」といった見積もりで直行 implement か spec 分割かを決める。
- チケットは1つずつ実装し、間で毎回コンテキストをクリアする。「全チケットやって」とは言わない。余裕があれば1つだけ追加で詰め込む程度に留める。
- AIの提案を鵜呑みにしない: to tickets が3スライスに分割してきても「1スライスで足りる、1つにまとめて」と押し返してよい。
- 仕上げ: 全チケット実装後に spec との突き合わせレビューを最終パスとして必ず実行する。チケットで抜けた要件や未指定事項をここで回収できる。
- 音声入力(Whisper Flow等)を使うと、grillingの質疑応答のような対話量の多い工程が高速になる。